小学生の頃、ある日のレッスンで、
「目をつぶって、どんな音がきこえるか教えて。」
と先生に言われた私は、
何も答えられなかった。
確かにピアノの音も、言葉も発さないその空間には音など無いように思える。
しばらくして、
「エアコンが鳴ってる音、きこえない?」と。
そう言われてもう一度耳を澄ませてみると、
さっきは気付かなかった、機械の動く鈍い音が鳴っている。
当たり前にそこに存在する音(例えば時計の秒針の音だったり)、
それも音なんだと、初めて認識した瞬間だった。
"意識しなくても聞こえる音" と、
"自ら聴こうとする音" の違いを初めて知った。
そして、それを演奏に活かす術を知ったのはもっと後だった。
既に指が鳴らした後の音に対して"音を自ら聴いている"と錯覚するのか、
鳴る前の音にイメージを持って、聴こうとするのか。
練習でピアノを弾いたり、音源を聴いたり、
息抜きにも、テレビや、なんらかの動画を観たり、クラシック以外の音楽を流していたり、
一日を振り返ると、静けさに耳を傾ける時間ってないな、と。
そして今から数ヶ月前に、
お風呂には本もスマホも持ち込まない、音楽も聴かない、と決めた。
...もちろん稀に守らない日もあるけれど。甘い😂
湯船に浸かる時間は、
目を瞑って、寝静まった空間に漂っている音に耳を傾ける。
音を探す感覚。
そして今でも、そこには、初めて存在を認識する音があったりする。
ついでに、
つい通り過ぎてしまいそうな感情や、ひらめきに
しっかり思いを馳せることもできる。
そんな自称良い時間を過ごしながらも、
一日の最後ぐらいは好きなことして最高にだらけさせてよ、
というただのナマケモノ的思考で、
寝る前の、お笑い動画タイムはやめられそうにない。やっぱり甘い🤣
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